KAWAtoKAWAの雑記

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コンクリート構造の勉強

鉄筋コンクリートの特徴

コンクリート 鉄筋
引張強度は圧縮強度の1/10程度と小さく、ひび割れ発生後は応力をほとんど負担しない 引張強度がおおきく、伸び能力にも優れている
圧縮強度は鋼材に比べ1/10程度であるが、断面を大きくすることで座屈が問題となることは少ない 圧縮強度は引張強度と同程度であるが、棒状として用いると、座屈のため、その能力を発揮できない
恒温履歴を受けても強度の低下は少ない 恒温履歴を受けると降伏点やヤング係数が低下しやすい
一般的な環境下で耐久的である 酸化しやすい
アルカリ性である| |

コンクリート内に鉄筋を配置すると

  • 座屈が生じにくくなる
  • 構造物の外部から高温を受けても鉄筋位置まで熱が伝わりにくくなる
  • アルカリ性のコンクリート内では、鉄筋表面に不動態皮膜が形成位され参加されにくくなる

    鉄筋コンクリートの長所短所

    長所 短所
    材料の入手が容易 所要の性能を得るまでに時間がかかる
    任意の形状寸法の構造物を経済的に建設できる 構造物の性能が施工に左右されることがある
    設計・施工が十分であれば、維持管理に比較的手間がかからない 自重が重い

鉄筋とコンクリートを合わせる利点

  • コンクリートと鉄筋の線膨張係数がほぼ等しく、日常の温度変化の範囲であれば両者の間にずれが生じない
  • 鉄筋表面を異型に加工した異形鉄筋を用いることで、付着強度が高くなり、大きな応力を受けた場合でも両者の一体性が保たれる

コンクリートの時間経過による変形

  • クリープ変形
  • 温度変化による変形
  • 乾燥に伴う乾燥収縮

鉄筋の役割

  • 引張潮力を分担する ひび割れが発生してコンクリートが失った引張力を鉄筋が分担することで力学的に問題を生じさせない
  • ひび割れを拘束する役割 ひび割れからの化学物質の侵入を伏せぐ
  • 圧縮鉄筋の役割 コンクリートに比べヤング率が10倍程度あるため、少量の鉄筋を配置しただけでも、コンクリートが負担する圧縮力をある程度軽減することができる
  • コンクリート及び鉄筋を拘束する役割
  • プレストレストコンクリート

コンクリートが成立する条件

  • 一般に異形鉄筋を使用して、十分な付着強度を有している
  • コンクリート中の鉄筋は腐食しにくい
  • コンクリートと鉄筋の線膨張係数はほぼ等しく温度変化が生じても両者の間にずれがない

かぶりの意味

  • 鉄筋とコンクリート間で十分な付着応力を有し応力を伝達する
  • 鉄筋の節前部に作用する支圧応力の鉄筋直行方向のリングテンションによるひび割れを防止する
  • 火災などの高温下で鋼材の品質低下を防止する
  • 鋼材が腐食するのを防止する

鉄筋の定着

  • 鉄筋とコンクリートの付着力により定着する。
  • フックなどをつけて定着する
  • 定着部などにより機械的に定着する

力学の基礎と鉄筋コンクリートへの応用

中立軸 伸縮の境界にある伸縮しない面と部材断面との好転
図心軸 任意の質料分布を持つ物質において、その各部分に作用する重力が釣り合う点である図心(重心)を通る軸
ポアソン効果 材料に力を加えた時に、加えた方向と垂直方向にひずみが生じる現象

構造解析の手順

  1. 荷重による変形を考える
  2. 変形から歪を求める
  3. 歪から応力を求める
  4. 応力から断面力を求める
  5. 力釣り合いにより、応力から求めた断面力と、外力から求めた断面力が釣り合うことを確認する

材料の性質

コンクリートの強度

コンクリートの強度といえば一般的に圧縮強度 コンクリートの引張強度は圧縮強度の1/10〜1/13 コンクリートの曲げ強度は圧縮強度の1/5~1/8程度

コンクリートの応力ひずみ関係

載荷初期は線形弾性に近い→曲線の曲率が次第に増加し、非線形を示す

第一段階 最大応力の30% モルタルと粗骨材の境界に局所的なひび割れ。弾性係数がわずかに低下し応力歪関係が次第に非線形になる
第二段階 最大応力の50% 粗骨材の周辺で生じた局所的なひび割れがモルタルにも進展し、弾性係数が更に低下する 横方向の歪は応力にほぼ比例して増加
第三段階 最大応力の80〜90% ひび割れが相互に連結しながら更に成長 ポアソン比が急激に増加し、体積歪は収縮から膨張へ
第三段階以降 応力が最大応力に達した後、ひび割れは急速に拡大し、応力歪関係は加工を示す

設計時に用いるコンクリートの応力歪関係

コンクリートのクリープ

コンクリートに荷重が持続的に作用すると、応力が一定であっても変形は時間とともに増大する

鉄筋の応力歪関係

  1. 直線的な弾性居度から降伏強度に達する
  2. 明瞭な降伏棚が見られる弾性挙動へと以降
  3. 再度応力が上昇する"ひずみ硬化"
  4. 引張強度を迎えた後に応力が若干下降して破断

PC鋼材の種類

|ポストテンション方式|コンクリートの硬化後、コンクリート部材中に付着しないように配置したPC鋼材を緊張した後、その端部をコンクリートに定着させてプレストレスを与える方法| |プレテンション方式|コンクリートの打設前に緊張したPC鋼材をコンクリート硬化後に開放して、鋼材とコンクリートとの付着によってプレストレスを与える方法|

PC鋼材の特徴

軟鋼である鉄筋は大きな人生を示すのに対し、PC鋼線は高い引張強度を有するものの明確な降伏点を示さない

曲げを受ける部材の挙動

スパン中央に集中荷重が作用して曲げ破壊する鉄筋コンクリート

  1. 荷重が作用するとはりに曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントにたいしてはり断面内の引張力と圧縮力の偶力(モーメント)で抵抗する
  2. 荷重が小さく、はりの下縁にひび割れが発生しない段階でははりは弾性挙動を示す
  3. その後荷重を増加すると下縁の応力がコンクリートの引張強度を超えひび割れが発生する。
  4. 荷重を増加するとひび割れが増える
  5. やがてひび割れが増えなくなり,ひび割れ幅が増加する
  6. (弾性的な挙動を示す)
  7. 更に荷重を増やすと鉄筋が降伏する
  8. 鉄筋が分担する引張力が増加しなくなり、はりの抵抗力も増加しなくなり、たわみ急増する
  9. 圧縮端が圧縮破壊し終局

曲げひび割れ発生後の応力計算の仮定

  1. 部材の変形前に平面であった断面は、変形後も平面である(平面保持の仮定)
  2. 鉄筋とコンクリートは完全に付着しており、界面ではズレは生じない(完全付着)
  3. コンクリートの引張応力は無視する
  4. コンクリートと鉄筋はともに線形弾性体である